あなたの相続A to Z 生前贈与のメリットと進め方

生前贈与の王道は、「暦年贈与」

子どもに現金を残しつつ、相続税を最低限にしたいなら、まずは生前贈与から始めましょう。

生前贈与の基本は、年間110万円が非課税となる「暦年贈与」を活用すること。例えば、子ども1人と孫2人に毎年110万円ずつ贈与すると、10年間で3300万円を無税で贈与することができます。

暦年贈与とは、贈与を1年(1月1日から12月31日)単位で考える方法です。

ジュニアNISAのメリットを上手に利用。

 未成年の孫への生前贈与には「ジュニアNISA」もおススメです。例えば、贈与税の基礎控除額を利用して孫にお金を贈与したうえで、そのお金で親権者である子どもが孫名義のジュニアNISA口座を開設して、運用します。非課税投資枠内(年間80万円まで)での運用であれば、得られた譲渡益や分配金などに対する所得税はかかりません。原則として、孫が18歳になるまで払い出しが制限されるため、運用資金を大学などの学費に充てることができます。

生命保険の活用も有効な一手

ジュニアNISA同様、生前贈与をさらに有効に活用する手段として、生命保険を利用する方法もあります。

通常(右図1)は親が契約者となり被保険者が親、受取人が子どもという形での終身保険の活用が主ですが、親ではなく子どもが契約者として保険に加入するという方法(右図2)です。

いったん、親が子どもに現金を生前贈与。受け取った現金を保険料の原資にし、養老保険などに加入することで将来、保険金を受け取るのです。

生命保険への加入の例

生前贈与による効果は歴然

生前贈与をすることで、どのくらいの節税効果があるのかについて、相続財産2億円(法定相続人は妻と子ども1人)の場合を例に考えてみましょう。
生前贈与を一切せず、2億円のまま相続すると、残された家族に相続税が3340万円掛かってしまいます。

これが、3000万円を生前に贈与して相続財産を1億7000万円に圧縮すると、相続税は2440万円となり、実に900万円も節税できるのです。

生前贈与の節税効果

「名義預貯金」による生前贈与にご注意を!

相続税の申告漏れで意外と多いのが、現金・預貯金。そして、その大半が、いわゆる名義預貯金と呼ばれるケースです。親が子どものために積み立てしていた子ども名義のお金なのに、「もらう側が贈与に合意していない」として、相続財産に計上されることも。結果、申告漏れを指摘されることがあるのです。子どものためによかれと思ってやったことが、後から相続税という形で子どもの負担にならないように、親子間であっても贈与契約書を作成するなど、贈与を否定されないための証拠を残しておく必要があります。


監修

弁護士・税理士

長谷川 裕雅

東京永田町法律事務所代表。大学卒業後、朝日新聞社の記者として活動。現在は弁護士と税理士の資格を保有し、相続問題を総合的に解決できる数少ない専門家として相談者から大きな信頼を得ている。『磯野家の相続』『磯野家の相続税』(ともにすばる舎)、『家庭内ドロボー』(光文社)など著書多数。


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