家計・節約編共働きを成功させるポイント

「家計状況に合わせて、しっかりした貯蓄習慣を」

収入が増えたときこそしっかり貯める

貯蓄が増えない、その具体的な解決策の一つが、共働きによる世帯収入のアップです。内閣府が発表した「男女共同参画白書・2015年版」によれば、共働きの世帯数は1,077万世帯であるのに対して、専業主婦の世帯数は720万世帯であり、その差は年々大きくなっています。(※1)

とはいえ、必ずしも共働きが貯蓄を増やすことに結びつくとは限りません。世帯の収入が増えれば、家計に余裕が生まれ、つい支出も増えてしまうものです。無理なローンを組んでしまうことも考えられます。そして、一度上げた生活の質は、なかなか落とせないものです。

もちろん、生活にゆとりや楽しみは必要です。そのためにお金は、むしろ適度に使うべきでしょう。とはいえ、無駄遣いは厳禁です。必ず毎月の貯蓄額を決め、計画的に積み立てることが重要です。教育資金や住宅資金など、この先必要となるお金のために、貯蓄用の口座を分けるのも有効です。貯蓄商品は、口座振替をしてくれる自動積立貯金が便利です。

つまりは、きっちりと貯蓄し、残った資金を有意義に使う、そういった家計のバランスを上手に取ることが、共働きを成功させる大事なポイントです。

保育園費用が思わぬ家計負担になる場合も

貯蓄意識が高く、無駄遣いがなくても、共働きが家計の中で効果的に機能しづらいケースもあります。その一例が、小学校入学前の幼児がいる家庭で、保育園費用が家計上大きな負担となるからです。

保育園の形態や世帯の所得などによって、その費用は変わりますが、子どもを保育園に預けて妻がパートで働く場合、パート収入の30~60%程度が保育園費用に充当されてしまいます。

例えば、半年前からパートで働き始めたA子さんの場合、パートで得る収入は月7万円ですが、働くことで保育園費用が発生し、実質の収入は2万7千円となってしまいます。それでも、A子さんの収入がない場合の家計(毎月8千円の黒字)に比べれば大きなプラスです。 2万7千円をすべて貯蓄すれば、年間にして32万4千円、3年間で約100万円貯蓄することができます。

A子さんは共働きが家計の余裕につながった例ですが、パート収入がもっと少なかったり、未就学児が2人以上で保育園費用の負担が大きくなるなど、パート収入よりも支出が大きくなるケースもあります。“働く・働かない”の選択は、マネープランの面だけでは判断できませんが、パート収入と保育園費用の収支をひとつの目安にするといいでしょう。

また、夫婦とも正社員として働ける場合は、保育園費用を差し引いた実質の収入は妻がパートのケースより、一般的には多くなります。しかし、収入が多い、家計の余裕資金が多いからと言って、それがそのまま貯蓄額に反映するわけではありません。夫婦とも正社員として働くと、お互いに“自分のお金”という意識が強くなり、“家族のお金”という意識が薄れて、管理が甘くなるからです。将来に向けてキッチリと目標を設定して、毎月の積み立てを基本に貯めていくことが大切です。

家計データ

<家族構成>

A子さん(26歳/パート)
夫(28歳/会社員) 長女(3歳/保育園)

月の収入計 317,000円

  • 給与(夫・手取り)237,000円
  • 給与(妻・手取り)70,000円
  • 児童手当10,000円

月の支出計 282,000円

  • 家賃70,000円
  • 駐車場・ガソリン代20,000円
  • 自動車ローン35,000円
  • 食費38,000円
  • 水道光熱費19,000円
  • 保育園費用43,000円
  • 通信費14,000円
  • 交際・レジャー費10,000円
  • 保険料13,000円
  • 医療費・雑費20,000円

月の収支計 35,000円

貯蓄1,500,000円

  • 通常預貯金(現在保有)1,500,000円

年間収支計 1,060,000円

  • 月収支35,000円×12か月420,000円
  • ボーナス(夫・年間手取り)640,000円

小学校入学によって教育費負担は軽減

保育園費用の負担が大きく、家計が苦しい時期は数年間だけです。子どもが小学校に入学すれば教育費が大きく下がることになるでしょう。公立小学校の場合、学校にかかる費用は年間で約10万円です。塾、習い事などの学校外費用を加えた学習費の総額でも、平均額は30万円ほどですから(※2)、多くのケースで保育園に預けている時期よりも家計への負担は小さくなるはずです。
その結果、貯蓄ペースも上げやすくなるので、余裕資金をより効果的に貯めるために、積立額を引き上げることをおすすめします。

最初は少額でも構わないので、早くから貯蓄する習慣をつけることが大切です。そのときどきの家計の状況に合わせて貯蓄額を調整しながら継続していけば、その頑張りは必ず後で活きてくるでしょう。

  • ※1同白書より引用したのは「雇用者の共働き世帯数」と「雇用者の夫と無業の妻からなる世帯数」
  • ※2文部科学省「平成24年度・子供の学習費調査」より

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記事監修田辺 南香(たなべ みか)ファイナンシャル・プランナー CFP®

上智大学卒業後、情報出版会社を経て、ファイナンシャル・プランナーに転身。心豊かな生活を実現するお金のコンシェルジュとして、アドバイスや情報発信を行う。主な著書「“未来家計簿”で簡単チェック! 40代から間に合うマネープラン」(日本経済新聞出版社)、「隠すだけ!貯金術」「女ひとり人生 お金&暮らしの不安が消える本」(KADOKAWA)。高齢シングル向けの情報サイト「おひとりさまスマイルCafe」を運営。(株)プラチナ・コンシェルジュ 取締役