家計・節約編家計改善のポイントをつかもう

収入を「増やす」、支出を「減らす」、預貯金を「貯める」

家計を改善するポイントは、「収入を増やす」、「支出を減らす」、そして確実に「お金を貯める」仕組みをつくることです。とはいえ、 支出を減らすには、何をどのように節減したらよいのか迷う人は多いかもしれません。小学生の子どもが2人いるBさんの家計の例で見ていきましょう。

家計の見直しは固定費からが基本

家計の見直しは、毎月決まった金額がかかる固定費から考えるのが基本です。
Bさんの場合の固定費は、住宅ローンと保険料です。住宅ローンは、残債期間が長く、契約時と現在の金利に差がある場合は、 より低金利のプランへ借り換えることにより返済負担を減らせる可能性があります。保険料も、適正な保険に入っているかどうか 点検することで低減できるかもしれません。住宅取得前に加入した保険内容のままだと、遺族の住まいにかかる費用等が世帯主の 死亡保障額に含まれている場合が多く、保障額は高めに設定されています。住宅ローンを組んだ時に、団体信用生命保険(通称「団信」)に 加入していれば、遺族の住まいにかかる費用分の保障額を減らすことができます。団信は、住宅ローンの返済途中で、契約者(世帯主)が 死亡または高度障害になったときに、生命保険会社が住宅ローン残高を本人に代わって支払うというものです。遺族は、返済の心配がなく住み続けることができます。
Bさんの場合、固定費以外にも節約の余地がありそうです。日用品・雑費、交際・レジャー費を抑え、節減できた金額を貯蓄するのが望ましいでしょう。
ただ、楽しいことに使うお金を意識的に節減することは、そんなに簡単ではありません。確実に「貯める」方法のひとつが、自動積立や給与天引きといった 「先取り貯蓄」です。あらかじめ、使うお金と貯めるお金を分ける仕組みを作ることが効果的です。あとは残りの金額の中で家計のやりくりができるよう習慣づけます。 節約に挫折した人も、この方法で貯蓄も、結果的に節約も成功しているケースを多く見てきました。
余った分を貯めようと考えていても、使途不明金に消えてしまいがちです。Bさんも、いつ何に使ったかわからないお金が月2万円もあるのは実にもったいない話です。 これを貯め続ければ、65歳までに500万円以上も貯蓄を増やすことができます。子どもが小学生のうちは、教育費の負担が比較的軽いため、お金の貯め時です。 この時期は頑張って、手取り収入(世帯収入)の12~15%を目標に貯めていきましょう。

このような見直しを行った結果、Bさんの家計の月間収支は8,000円から50,000円に改善しました。固定費である住宅ローンは、借入時の金利2.5%から1.762%の ローンに借り換えることで毎月の返済額はマイナス7,000円、保険料はBさんの生命保険の保障額を減らすと同時に、保険タイプを見直すことによりマイナス5,000円、 合わせて12,000円の節約です。その上で、50,000円を先取り貯蓄することで、使えるお金が限定され、計画的に使う習慣ができ、上手にやりくりできるようになりました。 その結果、使途不明金の20,000円がなくなり、日用品・雑費、交際・レジャー費の節約につながっています。

改善前の月間収支

<家族構成>

  • Bさん(43歳/会社員)
  • 妻(39歳/パート)
  • 長女(12歳/小学6年生)
  • 長男( 9歳/小学3年生)
  • 持家あり(住宅ローンあり)

月の収入計 365,000円

  • 給与(夫・手取り)295,000円
  • 給与(妻・手取り)50,000円
  • 児童手当
    (※支給は4か月に1度)
    20,000円

月の支出計 357,000円

  • 住宅ローン90,000円
  • ガソリン代7,000円
  • 食費47,000円
  • 水道光熱費18,000円
  • 教育費・習い事49,000円
  • 通信費16,000円
  • 交際・レジャー費25,000円
  • 保険料20,000円
  • 日用品・雑費30,000円
  • お小遣い35,000円
  • 使途不明金20.000円

月の収支計 8,000円

貯蓄計 2,500,000円

  • 通常預貯金(現在保有)2,500,000円

年間収支計 1,296,000円

  • 月収支8,000円×12か月96,000円
  • ボーナス(夫・年間手取り)1,200,000円

教育費が増える時期を乗り切る

公立小学校に通っているうちは、さほど大きくない子ども1人あたりの教育費の負担も、進学するにつれて確実に増えていきます。

中学、高校へ進学すると、学費だけでなく部活動や塾通いを始めることで学習に関するさまざまな費用(学習費)の出費が増えます。
進学する学校が公立か私立かにより学習費は大きく変わりますが、 統計 ※ によると公立中学校への進学であっても、中学校の学習費総額が一番多い時期は月平均16,000円、小学校6年間の月平均学習費よりも負担が多くなります。 高校は公立校であれば、月平均6,700円の負担増で済みますが、私立校に進学すると、月平均55,000円も学習費の負担が増えることになります。

さらに、大学や専門学校への進学を考えている場合、進学までに必要な学費の半分程度は備えておきたいものです。 Bさんの場合、長女は12歳ですから、今から毎月3万円を6年間、9歳の長男は毎月2万円ずつ9年間それぞれ貯めれば、進学までにそれぞれ200万円程度を準備できます。 では、どのようにして教育費の負担増に備え、貯蓄を増やすことができるのか考えていきましょう。

教育費に必要となる資金については「出産・教育資金編」もあわせてご覧ください。

改善後の月間収支

月の収入計 365,000円

  • 給与(夫・手取り)295,000円
  • 給与(妻・手取り)50,000円
  • 児童手当
    (※支給は4か月に1度)
    20,000円

月の支出計 315,000円

  • 住宅ローン83,000円
  • ガソリン代7,000円
  • 食費47,000円
  • 水道光熱費18,000円
  • 教育費・習い事49,000円
  • 通信費16,000円
  • 交際・レジャー費20,000円
  • 保険料15,000円
  • 日用品・雑費25,000円
  • お小遣い35,000円
  • 使途不明金0円

月の収支計 50,000円

貯蓄計 2,500,000円

  • 通常預貯金(現在保有)2,500,000円

年間収支計 1,800,000円

  • 月収支50,000円×12か月600,000円
  • ボーナス(夫・年間手取り)1,200,000円

家計をズバリチェック!

  • 固定費である住宅ローンは、より低金利のローンに借り換えることにより返済負担を 減らせる可能性があります。保険は、住宅ローンを組んだ時に、遺族保障を試算し直していなければ、重複する死亡保障が付いている可能性がありますし必要保障を改めて試算し、適正な保障をつけることで保険料を削減できる可能性もあります。
  • 預貯金口座にお金があると使ってしまうため、貯蓄は手取り収入(世帯収入)の12~15%を目安に先取りして貯める体質を作っていくこと が有効です。子供が小学生のうちが比較的貯金しやすいため、できるだけ頑張って貯めていきましょう。
  • 学校費は、公立校でも中学、高校になると増えるため、現状よりも教育費に多く割り振ることを想定すると、その他の項目で節約する必要があります。部活や塾へ通う場合などの費用も考えておく必要があります。(公立校への進学であっても、中学では、学習費総額のうち割合が最も大きいのが中学校3年の平均額である約50万2千円です。公立高校の学習費総額の平均額は38.6万円で、小学校6年間の学習費の総額の平均額30万円と比べてもかなり家計に負担になることがわかります)
  • 学資保険で教育費を準備する方法もありますが、途中解約すると積み立てた金額より少ない金額しか戻ってこない場合があるため、 必要な時に解約できる貯金を併用するとよいでしょう。大学・専門学校の費用のおよそ半分を入学時までに準備しておくことが大切です。
  • 1人目の子どもが中学へ進学した段階から徐々に世帯収入を増やすことも考えましょう(妻の就業時間を見直すなど)。

家計に合った教育プランを

教育は子供の将来の可能性を広げるため、できるだけのことはやってあげたいと考えるのが親心だと思います。 ただし、教育費に比重を置きすぎて、老後資金の準備ができなくなったり、家計が破たんしては困ります。‘我が家の家計’に合った教育プランであることが大切です。

教育プランを含めた家族のライフプランの選択肢を限定させないためにも、家計で改善できることはすべて試していきましょう。 妻の働き方を見直して世帯収入アップを図るのもそのひとつです。
収支の改善と確実にお金を貯める仕組みづくりを実施することで、貯蓄体質の土台をつくっていきましょう。

  • 文部科学省「平成24年度 子供の学習費調査」より筆者が試算

しっかり貯金したい方におすすめの商品はこちら

  • 半年後からいつでも払い戻しができる 定額貯金
  • お金を使う時期までしっかり貯める 定期貯金
  • 手間いらずで着実に貯まる! 自動積立貯金

記事執筆村松 祐子(むらまつ ゆうこ)ファイナンシャル・プランナー CFP®

上智大学卒業後、大手証券会社、外資系証券会社において、経済・市場調査、資産運用の相談実務を経て、ファイナンシャル・プランナーに転身。お一人ひとりに合ったライフ&マネープランを心掛け、セミナーや相談を通じて、資産運用をはじめ、住宅ローンや生命保険などのアドバイスを行う。(株)プラチナ・コンシェルジュ所属