退職・相続編将来の備えについて考えよう

老後にもらえるお金

退職して年金生活になると、収入が現役時代の1/3~1/2程度に減るのが一般的です。足りない分は、それまでの貯蓄や退職金を取り崩していくことになりますので、より一層生活設計が重要になってきます。そこで、老後のマネープランの第一歩として、退職後に「もらえるお金(収入)」について考えていきましょう。

退職金の金額と受け取り方を確認しましょう

退職金をもらえる人は、退職金の社内規定を確認したり、人事部・総務部などに問い合わせるなど、まずは大まかな金額を把握しましょう。実際に受け取る際には、「一時金」または「年金形式」など受け取り方法を選択できるケースもあります。

「一時金」は退職金控除や税制の優遇があり、800万円+70万円×(勤続年数-20年) ※1までは税金がかかりません。「年金形式」の受け取り総額は、一時金よりも多くなることもありますが、控除額を超える部分は毎年雑所得として課税の対象となります。年金などの定期収入が多くなる人は、一時金を選択する方が税金や医療費や介護サービスの負担の面で有利になる場合があります。

「年金形式」を選択する場合は、受け取り期間や金額、受け取り期間中に死亡した場合はどうなるかなど、諸条件を確認しましょう。

  • ※1勤続年数20年超の場合

公的年金の情報は、「ねんきん定期便」を確認しましょう

現役時代の職業などによって、受け取る年金の種類や金額が異なります。自営業や専業主婦(夫)など、老齢基礎年金だけの人は65歳から年金の受け取りがスタートします。会社員や公務員の経験がある人は、基礎年金に加えて老齢厚生年金や退職共済年金も原則65歳から年金の受け取りがスタートします。
年金を受け取るには、原則的に保険料を最低25年納める必要がありますが(消費税率が10%に引き上げられる時期に受給資格期間は10年に短縮される予定(2015年6月現在))、保険料を納めた期間が長くなるほど年金額は増え、40年間の満額で65,008円/月 ※2 となります。

会社員や公務員の経験がある人は、65歳からの老齢基礎年金に加えて、老齢厚生年金や退職共済年金がもらえます。その額は、上限はあるものの、現役時代の収入が高いほど、また勤続年数が長くなるほど多くなるしくみです。標準的なケースの老齢厚生年金は91,491円 ※3 です。専業主婦世帯での二人分の年金額は、基礎年金と厚生年金合わせて221,507円/月になります。受給開始は原則65歳からですが、生年月日によって一部の人は60代前半から受給できます。(図1参照)

図1

図1

支給開始年齢60歳

男性

~昭和28年4月1日

女性 ※

~昭和33年4月1日

支給開始年齢61歳

男性

昭和28年4月2日~
昭和30年4月1日 

女性 ※

昭和33年4月2日~
昭和35年4月1日 

支給開始年齢62歳

男性

昭和30年4月2日~
昭和32年4月1日 

女性 ※

昭和35年4月2日~
昭和37年4月1日 

支給開始年齢63歳

男性

昭和32年4月2日~
昭和34年4月1日 

女性 ※

昭和37年4月2日~
昭和39年4月1日 

支給開始年齢64歳

男性

昭和34年4月2日~
昭和36年4月1日 

女性 ※

昭和39年4月2日~
昭和41年4月1日 

支給開始年齢65歳

男性

昭和36年4月1日~

女性 ※

昭和41年4月1日~

  • 共済年金に加入している女性は、「男性」の生年月日と同じ

自分自身のケースで、「いつから」「いくら」受け取ることができるかを確認するには、毎年誕生月に日本年金機構から届く「ねんきん定期便」が便利です。50代の人には、今の働き方や収入が60歳まで続いた場合の年金額が、「老齢年金の見込額」として書かれていますので、参考にするとよいでしょう。ただし、50歳未満の場合は、これまでの実績だけを反映した年金額で、今後増えていく分は含まれていませんので注意しましょう。さらに、公務員や厚生年金基金に加入歴がある人は、ねんきん定期便に反映されない部分があるため、加入している共済や厚生年金基金または企業年金連合会に問い合わせしましょう。

年金は該当年齢になったら自動的に振り込まれるのではなく、自分で手続きをしなければなりません。誕生日の3ヶ月前に届く「裁定請求書」に振込先など必要事項を記入して、生年月日を証明する書類と一緒に提出してから、受給が開始されます。

その際、振込先の金融機関は、生活範囲が変わることや、旅先でも引き出すこと等を考慮し、老後のライフスタイルにあったものを選ぶべきでしょう。

年金の振り込みは偶数月の15日で、毎月振り込まれるわけではありませんので、計画的に使うことが大切です。また、原則的に医療保険や介護保険の保険料が年金から天引きされますので、実際の手取り額は見込額よりも少なくなる点に注意しましょう。

  • ※2平成27年度の年金額
  • ※3夫が平均標準報酬(賞与含む月額換算)42.8万円で40年間会社員として働き、妻はその期間ずっと専業主婦だった場合の老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金の合計額(平成27年度)。

老後の収入一覧を作りましょう

リタイア後にもらえるお金が把握できたら、1年単位で書き出してみましょう(図2参照)。個人年金や養老保険など、老後資金として自分で用意してきた保険なども、受け取り時期や金額を確認しましょう。その他に家賃収入など見込める定期収入があれば加え、収入の合計額を計算します。

次は、「老後の支出」について予測を立てていきましょう。一生分の収入よりも支出が多ければ、老後資金不足に陥ります。不足額を補うために、「今あるお金を殖やす」「将来の収入を増やす」「将来の支出を減らす」など、具体的な対策を立てることが安心して老後を過ごすための第一歩です。

図2 収入一覧

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記事執筆田辺 南香(たなべ みか)ファイナンシャル・プランナー CFP®

上智大学卒業後、情報出版会社を経て、ファイナンシャル・プランナーに転身。心豊かな生活を実現するお金のコンシェルジュとして、アドバイスや情報発信を行う。主な著書「“未来家計簿”で簡単チェック! 40代から間に合うマネープラン」(日本経済新聞出版社)、「隠すだけ!貯金術」「女ひとり人生 お金&暮らしの不安が消える本」(KADOKAWA)。高齢シングル向けの情報サイト「おひとりさまスマイルCafe」を運営。(株)プラチナ・コンシェルジュ 取締役